11-20位
11位 Heron 『Heron』
とにかく1曲目「Yellow Roses」に尽きる。全体的にマッタリとした雰囲気が堪らない。これは限定紙ジャケだけじゃなくてプラケの一枚物でいいから残してあげて欲しいと思う。聴いてると眠くなるのが唯一の弱点か。8pシングル付きは嬉しいけど、やっぱボートラで収まってた方が便利か。
12位 Ernie Graham 『Ernie Graham』
英国パブロックを代表する名盤の紙ジャケ再発物。基本Dylan&Bandなれど英国的な側面が所々に窺える。フィドルが物悲しい曲があったり、ギターが唸る曲あったりとかなり飽きの来にくいアルバムだ。時代的な要望からかボートラのシングル曲には格好良いパワーポップもあります。ブリンズリー・シュオーツも参加しているのでニック・ロウ・マニアは持っておくべき一枚かな。
え〜とベスト読んで頂く前に、戯言を一つ。このベストアルバム20は2004年の発売作品で私が初めて聴いた作品を挙げています(要は再発も含む)。そういった意味に置いて今年は全体的に新譜は良かったんではないでしょうか。自分の好きなそれぞれの方面でこれ!って一枚に出会えたし、聴きたい音楽というのも割りとフォーカスが絞れてきた感じもします。あと関係無いけど今年はワイヤーをなんか意味無く聴きまくりましたわ。
はじめに
13位 くるり『アンテナ』
くるりバンド史上最高傑作。異様にキャッチーだったシングルのモードとは明らかに異なるアーシー且つ清涼感漂うアルバム全体の不思議な雰囲気。面白いのがこのアルバムが1stに似ている音楽的趣向を持っているということ。ヒップなオルタナバンドとして様々な音楽を取り込んできた彼らが図らずも原点に戻ってきたのはなんの因果か。佐藤社長のベースの凄さにも感激した一枚。
14位 The Ordinary Boys 『Over The Counter Culture』
04年度最モッド魂炸裂の一枚がこれ。良く考えられたギターアレンジ、地味にファンタスティックな動きをしているベースに痺れる事請け合い。本作は音としては明らかにザ・ジャムではあり、曲そのものも割りとワン・パターンのものが多い。しかしデビューだけにそれを猪突猛進感に変えてる辺りが上手い。歌詞が非常に説教臭いのはThe Clashまんまなのは英国のバンドならでは。あと実はシングルB面曲に良い曲があるというのも侮れない。実に次作が気になるバンドの筆頭。
15位 ZAZEN BOYS 『ZAZEN BOYS U』
ZAZENの04年度2枚目の作品がこれ。ちゃんとしたスタジオで録音したのが凶暴さに直結。NO WAVEのフリーキーさとTHE BLUE HERBを筆頭としたエレクトロニクスを駆使したヒップホップ勢の感覚を自らのテリトリーであるハードエッジなバンドサウンドへの消化に成功。サウンドとは別に向井のリリックはほぼ同じ事を違う角度から集中砲火し続けており、その在り様は結構壮絶。まさに狂乱節とはこの事で林檎も歌えば猫も歌いまくる。孤独と発狂と酒と泪と小便の48分間。
16位 Syrup16g 『Delayedead』
僕にとっては日本で最もどう語っていいか難しいバンドの最新作にして第一期完結作。前作で圧倒的な完成度と圧倒的な「らしくなさ」を見せたSyrup16g。本作はストック曲やメジャー以前の楽曲を再録した作品。歌詞は初期の言いっ放し感が漲ってるし、演奏そのものも荒々しく今のモードととして輝いている楽曲ばかり。「明日を落としても」はやっぱ名曲だなぁ。
17位 羅針盤 『いるみ』
前作から9ヶ月ぶりというペースにも驚くが、作風の変化には驚いた(音質の変化は割りといつものこと)。曲展開はますますミニマルになりドンドン言葉を聴かせる楽曲に変化。バンド自体は本作で一旦解体され、山本精一のユニットへ。彼のプロジェクトでは最も好きなバンド(ユニット)なので是非この続きがみたいです。
18、DNA 『DNA ON DNA』
伝説のNO WAVEバンドの一枚物としてはこれ以上は望めないパーフェクトなコンピが本作。かなきりギターにオフビート・ドラムはジーザズ&メリーチェインがまんまアイデアを継承した。ノイズバンドと括られがちなDNAだけど、やってることはそっち方面にしてはかなりポップ。まぁアート・リンゼイがこの方面をもうやることも考えられないので資料的価値もあるかな。僕の中でほぼ消えつつあるノイズバンドブーム中でも一際輝いた一枚。
19位 Rockpile 『Second of Presure』
生ける伝説のパワーポッパーであるニック・ロウとパブロックを代表する硬派・ロックンローラーであるデイブ・エドモンズがガッチリ組んだ最高のR&Rバンドの唯一のアルバムのリマスター再発。思わず笑顔がこぼれる幸せR&Rアルバムの最高峰。エヴァリーブラザーズのカヴァー曲がいい味なのこの世代ならでは。バート・ヤンシュとは違った意味でアコギの魅力を再認識しました。R&Rがダーティでワイルドなイメージしかないという方にお薦めしたい。
20位 空気公団 『ねむり』
最後が空気公団の第一期ラスト・ミニアルバム。内容的にかなり“途中”な印象を受ける。まだやれると思うし、名曲の断片ばかりで構成されるのにも参った。「窓越しに見えるは」で無理やり閉じられる感じではあるが、やはり山崎ゆかり穣の声には抗えない。実際問題かなり中途半端な作品ではあるがライブDVDを合わせてこの位置に置いてみた。
10-1位へ